京都第一赤十字病院救急科専門研修プログラムの特色

ER_ICU_OPE_DMAT

京都第一赤十字病院救急科専門研修プログラムは、豊富な症例を経験できる施設群で形成されています。基幹施設である当院は、京都府下でトップクラスの救急症例数を誇ります。研修施設群には、複数の救命救急センターが含まれ、初期の診断・治療から集中治療までシームレスな研修が可能です。災害医療、病院前救護の研修はどこでも可能なものではありませんが、我々のプログラムでは協力施設と連携し、研修ができるようにしています。

当院は基幹災害拠点病院で、国や地域の災害医療研修に積極的に参加と指導することができます。地域の救急医療を研修できる施設も複数含まれ、そこでは地域における救急医療の実態や課題を直接肌で感じることができるでしょう。

長い医師人生の間には、医療の実践面での限界に直面することが必ずありますが、当研修プログラム内に配置された学問的研修によって培われたリサーチマインドは、きっとあなたに新たな道を切り開いてくれるはずです。

その他、希望に応じて小児救急や周産期救急、外科・脳外・整形・麻酔の手技も研修可能です。様々な施設を渡り歩いての研修はいくらかストレスを伴うものですが、あなたの将来のキャリアプラン形成に役立ちますし、研修中にかかわった仲間や指導医の存在はかけがえのない宝物になるでしょう。

※救急科の診療実績等詳細は、「診療科紹介ページ」をご覧ください。

連携施設一覧(2025年3月現在)
名称 特徴
1 京都府立医科大学附属病院 ER重視の大学病院で診療と学問的修練が可能
2 京都大学医学部附属病院 集中治療重視の大学病院で診療と学問的修練が可能
3 広島大学病院 ドクターヘリを擁した高度救命救急センターで診療と学問的修練が可能
4 兵庫県災害医療センター 高度救命救急センターかつ基幹災害医療センター。集中治療と災害医療と病院前救護
5 日本赤十字社医療センター 救命救急センターであり都心部ならではの二次救急診療
6 さいたま赤十字病院 高度救命救急センターであり集中治療と災害医療と病院前救護
7 京都第二赤十字病院 高度救命救急センター、三次救急医療施設であり集中治療と災害医療
8 京都医療センター 三次救急医療施設であり集中治療と災害医療
9 洛和会音羽病院 三次救急医療施設であり集中治療と災害医療
10 市立福知山市民病院 三次救命救急センターであり地域救急診療と総合診療研修
11 京都岡本記念病院 地域の中核的な二次救急病院であり外傷を中心とした二次救急診療
12 京都民医連中央病院 地域の二次救急病院であり二次救急診療
13 京都田辺中央病院 地域の二次救急病院であり二次救急診療
14 京都九条病院 地域の二次救急病院であり二次救急診療
15 京都山城総合医療センター 地域の二次救急病院であり二次救急診療
16 兵庫県立こども病院 小児救命救急センターであり集中治療と病院前救護が可能
17 埼玉県立小児医療センター 小児救命救急センターであり三次救急病院。新生児・小児ドクターカー配備

研修予定

  1. 基幹施設研修
    • 京都第一赤十字病院にて救急患者初療と重症集中治療研修、災害研修
    • 最低18ヶ月、最長24ヶ月を必須とします。
  2. 地域医療研修
    • 京都第二赤十字病院、京都医療センター、市立福知山市民病院、京都岡本記念病院、洛和会音羽病院、京都民医連中央病院、京都田辺中央病院、京都九条病院、京都山城総合医療センター、日本赤十字社医療センター、埼玉県立小児医療センター
  3. 病院前救護研修
    • 兵庫県災害医療センター、さいたま赤十字病院、兵庫県立こども病院
  4. 学問的研修
    • 京都府立医科大学附属病院、京都大学医学部附属病院、広島大学病院

上記4項目を研修すべく組み合わせ、基幹施設研修以外は選択として、1施設最長12ヶ月まで認めます。研修先や順序、期間については専攻医の研修希望を中心に考え、研修進捗状況や各病院の状況、地域の医療体制も踏まえて勘案し研修プログラム委員会が見直し、必要があれば修正します。

 

研修タイプ例

ER重視型

軽症から重症まで多数の患者に対する診療能力を養う

ER重視型
重症集中治療重視型

重症に対する集中治療や緊急処置・手技などの診療能力を養う

重症集中治療重視型
地域医療重視型

地域で求められる幅広い救急医療を提供できる診療能力を養う

地域医療重視型

当院での週間スケジュール例

当院での週間スケジュール例

プログラム責任者からのメッセージ

救命救急センター長 髙階謙一郎

当院の救急医療は救命救急センターとしてER・ICUの他に、基幹災害拠点病院として災害医療・病院前医療を4つの柱として活動しています。

京都第一赤十字病院救急科専門研修プログラムではこの4つの柱を中心に研修を行っていただきます。ERでは3次救急だけでなく地域のERとしての機能を果すべく全応需を基本として多くの症例を経験していただけます。

救急医は病院の窓口として幅広い対応が求められます。当院での研修は緊急事態に対する迅速かつ的確な対応能力を養成し、救急現場での実践的なスキルを磨くことができます。多様なかつ豊富な症例を経験することにより、臨床判断力と処置の正確性を向上させることが可能です。また、救急医に求められるチーム医療の重要性を理解し、他職種との連携を深めることができます。この研修は、あなたの医療人生を飛躍的に向上させる一歩となることでしょう。ぜひ一緒に働きましょう。

上級医からのメッセージ

救急科医長 岡田信長

まず皆さんが「救急医」と聞いて思い浮かべるものはどのようなものでしょうか?外傷患者を颯爽と診る外傷外科医か、重症患者を綿密に評価し治療する集中治療医か、疾患も重症度も分からない急病人を診る救急外来医か、はたまた…。

各診療科は主に臓器別にスペシャリティを持つ縦割りとすれば、救急医は急性期に関して臓器関係なく診療する横割りのスペシャリストだと考えられます。その役割を務めるために専攻医には「緊急度、重症度の高い患者を限られた時間や資源でメディカルスタッフと連携し、評価する力」また「時には救急科内で治療を完結(熱傷、敗血症、中毒、外傷など)し、時には適切な診療科がスムーズに治療介入できるよう差配をする力」を身につけてほしいと思います。

当院は救命救急センターではありますが、地域のERとして一次~三次と幅広い重症度の内因/外因疾患の初療を行い、重症例はそのまま各科と連携をとりながら集中治療室で継続して診療をしているため、診断・治療・手技いずれも豊富な経験が積めます。また外科、脳外科、整形外科、内科、小児科、集中治療学、熱傷、IVRなど各々の専門領域を持った上級医と都度議論できること、基幹災害拠点病院として災害・メディカルコントロールに関しても触れる機会が多いことも当院の特徴です。

こと救急医療においては特に無駄な経験や無駄な研修という概念はありません。枝葉も含めた様々な事例を通して、緊急時の対応力や人間力をあなたとともに高めていければ良いなと私は思っています。

研修の様子

救急外来で処置中の様子
救急外来で処置中
救急外来で手術中の様子
救急外来で手術中
ドクターヘリコプター対応の様子
ドクターヘリコプター対応
災害対応の様子
災害対応
災害対応(DMAT派遣)の様子
災害対応(DMAT派遣)
災害対応(救護班派遣)の様子
災害対応(救護班派遣)

Q&A

京都府外の大学出身、他の臨床研修病院出身者ですが、採用で不利になりませんか?

定員内での採用において、出身大学・臨床研修施設によって不利になる事はありません。初期研修医・専攻医のなかにも、府外大学出身者、他施設初期研修修了者が含まれ、初期・専門研修修了後も各科で活躍しています。

「シーリング」とは何ですか?

専門医制度におけるシーリングは、医師の地域偏在や診療科偏在を是正するために設けられた制度のことで、医師多数都道府県の研修プログラムの募集定員に上限が設定されており、内科や麻酔科等13の診療科領域はその制限を受けますが、救急科専門研修においては、シーリングは設定されていません。(2025年3月現在)

専攻医の給与および福利厚生について教えて下さい。

待遇については募集要項をご確認ください。連携施設での研修中は、基本的に研修先での採用となり、そちらの規定に準じます。
募集要項

家庭の事情などのため、労働条件において考慮いただくことは可能ですか?

各種特別休暇・休業、短時間勤務等の制度を状況に応じてご利用いただけますが、就業規則や、専門研修プログラム修了要件の規定があるので、詳細はご相談ください。

保育施設はありますか?

当院敷地内にある夜間・病児の保育施設をご利用いただけます(要事前登録)。詳細はお問い合わせください。

どんな専門医が取得できますか?

当院では数多くの施設認定を取得しております。施設認定の詳細は「当院のご紹介」ページの「学会認定施設」の一覧をご確認いただくか、診療科へお問い合わせください。
学会施設認定

文献検索環境について教えてください。

院内図書室では、国内図書・雑誌、国外図書・雑誌、電子ジャーナル等を有し、職員は24時間利用可能です。自習スペースもあります。
文献データベース等は、医中誌Web、メディカルオンライン、DynaMed、The Cochrane Library、CHINAHL、MEDLINE Ultimate/with Full Text、Pub Med、今日の臨床サポートの利用が可能です。文献取り寄せも対応しています。

見学をしたいのですが、どうすればいいですか?

「見学申込み」ページより注意事項をご確認のうえ、お申し込みください。
病院見学

募集要項、待遇・処遇

募集要項一覧
募集定員 2名(予定)
試験日 未定。例年9月~10月頃(日本専門医機構の専攻医登録開始時期による。)
選考方法 個別面接 ※ 専門研修プログラムシステム上で採用登録を行う
採用予定日 令和8年年4月1日
応募資格 医師法第16条の2第1項の規定による臨床研修を修了した者、または、令和8年3月修了見込みの者
応募手順 (1)応募書類 ・履歴書(別紙様式・写真添付) ・専攻医申込書(別紙様式) ・医師免許証(写し) ・臨床研修修了見込証明書(既修了者は臨床研修修了登録証写し) (2)提出先 〒605‐0981 京都市東山区本町15丁目749番地 京都第一赤十字病院 人事課 宛 (3)応募期間 日本専門医機構の専攻医登録・応募期間によるため、応募前に必ず人事課教育研修推進係までご連絡ください。
研修方式・期間 京都第一赤十字病院を基幹病院とした連携施設群で、京都第一赤十字病院救急科専門研修プログラムに則り、原則3年間の専門研修を行う。
問い合わせ先 京都第一赤十字病院 人事課 教育研修推進係 〒605-0981 京都市東山区本町15丁目749番地 TEL:075-561-1121(代表) E-Mail:education@kyoto1.jrc.or.jp
待遇・処遇一覧
勤務時間 8時30分~17時06分(休憩1時間) 日当直(月2~3回程度)
休日等 土曜日、日曜日(週休二日制) 国民の祝日 年末年始(12月29日から1月3日まで) 創立記念日(5月1日、11月20日)
有給休暇 年次有給休暇 6ヶ月勤務後に10日間 特別有給休暇 結婚、忌服、夏季休暇
手当 月手当 専攻医1年次 304,000円 専攻医2年次 352,000円 専攻医3年次 367,500円 時間外勤務手当 特殊勤務手当 住居手当(本人名義の賃貸のみ。上限あり) 通勤手当(対象者のみ) 賞与:夏期及び年末に一時金の支給(年次と勤務期間による)
社会保険 健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険適用
その他 学会出張時に、1名あたり年間84,000円の範囲内で旅費を支給

説明会のご案内

病院見学・問い合わせ

見学申し込み

随時受け入れ。当院ホームページ「採用情報」の病院見学をご確認いただき、専用フォームよりお申し込みください。

問い合わせ

人事課 教育研修推進係
TEL :075-561-1121(代表)
E-Mail:education@kyoto1.jrc.or.jp

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