脳神経外科

診療科紹介

脳神経外科は脳神経疾患の中で主に手術の対象となりうる疾患を診る診療科です。

脳神経外科では脳血管障害を中心に頭部外傷、脳腫瘍、機能的脳疾患などの脳神経疾患に対して総合的に診療を行っています。具体的な治療方法として、薬剤治療を含めた一般的な全身管理に加えて顕微鏡手術(マイクロサージェリー)、血管内治療(カテーテル治療)、神経内視鏡手術、放射線治療などがあり、それらを使い分け、あるいは組み合わせて治療を行っています。特に近年では血管内治療の進歩が著しく、顕微鏡手術との使い分けがますます重要となっています。当科では患者さん一人ひとりに合った適切な治療方法を提案し、治療を行っています。
難治性疾患である悪性神経膠腫(グリオーマ)や、高度専門領域の小児神経疾患については、京都府立医科大学脳神経外科と常に連携して診療を行っています。

担当する疾患

  • ■脳血管障害/脳卒中:くも膜下出血・脳出血(救急対応)、未破裂脳動脈瘤、頚動脈狭窄、脳動静脈奇形、硬膜動静脈瘻など
  • ■脳腫瘍:グリオーマ、転移性脳腫瘍、原発性中枢神経系悪性リンパ腫、髄膜腫、下垂体神経内分泌腫瘍、聴神経鞘腫、頭蓋骨腫瘍など
  • ■頭部外傷:中等症〜重症の神経外傷(救急対応)、慢性硬膜下血腫など
  • ■機能的疾患:三叉神経痛、片側顔面けいれん
  • ■その他:正常圧水頭症など

検査・治療法の詳しい説明

検査方法

頭部CT

放射線検査の一つで頭部の断層画像を作成します。撮像時間は3分程度と短時間で完了します。造影剤を使用することで脳血管や頚部血管の3D画像を作ることもできます。

頭部MRI

磁気と電波を用いて頭の断層画像を作成します。CTに比べて脳実質の病変をより詳細に描出できまるのが特徴です。また造影剤を使用せずに脳血管の描出ができます。撮像時間は約30分とやや長く、狭い空間での撮像となります。

脳血管撮影(カテーテル検査)

手首や足の付け根から針を刺し、カテーテル(直径数mmの管状の医療機器)を体内の動脈内へ進めて頚部の血管に留置します。造影剤をカテーテルを通して頭頸部へ向けて注入し、連続でレントゲン撮影を行うことで脳や頚部の血管を描出します。CTやMRIと比較して血管を描出する解像度が高く、動脈から毛細血管、静脈への血流の流れを見ることができます。検査は入院を必要とし、通常1泊2日で行います。

治療方法

顕微鏡下/外視鏡下手術(マイクロサージェリー)

開頭を行い顕微鏡で脳神経や微細な血管を剥離しながら行う手術です。脳腫瘍の摘出術や脳動脈瘤クリッピング術、頚動脈内膜剥離術、バイパス手術などで行います。最近では手術用外視鏡(4K3Dモニター手術システム)を導入し、従来よりも患者さんの負担が少なく安全な手術が可能となりました。

血管内治療(カテーテル治療)

四肢の動脈からカテーテルを挿入し、脳まで進めて行う治療です。くも膜下出血や未破裂脳動脈瘤に対する脳動脈瘤コイル塞栓術、脳腫瘍や慢性硬膜下血腫に対する血管塞栓術、硬膜動静脈瘻の治療などがあります。

内視鏡下手術

鼻の穴や頭蓋骨に開けた小さな骨孔から内視鏡を挿入し、狭い空間で行う手術です。下垂体腺腫に対する経鼻内視鏡手術や脳内出血に対する内視鏡下血腫除去術などがあります。

実績

主な手術件数(令和6年1月〜12月)
手術名
全手術件数 153
脳腫瘍摘出術 4
脳動脈瘤クリッピング術 5
脳動脈瘤コイル塞栓術 11
頚動脈内膜剥離術 9
開頭血腫除去術(脳出血) 3
内視鏡下血腫除去術 6
開頭血腫除去術(外傷) 7
微小血管減圧術 1
経鼻内視鏡下腫瘍摘出術 1
慢性硬膜下血腫穿頭洗浄術 42
水頭症手術 14
その他 50

よくある質問

  • Q.予定入院の場合、入院期間はどのくらいになりますか?
  • Q.開頭手術や頚動脈の直達手術とカテーテル治療はどちらかを選ぶことはできますか?

医師紹介

  • 部長
  • たつざわ かずのり
  • 立澤 和典
  • 卒業年平成6年
  • 認定医・専門等資格名日本脳神経外科学会指導医・専門医 日本内分泌学会内分泌代謝科(脳神経外科)専門医 日本脳ドック学会専門医

令和7年4月に新部長として着任しました。予防から急性および慢性まで幅広く脳神経疾患の診断・治療に取り組んでいます。地域の皆さまの生命と健康を守るべく、チーム一丸となって患者さん目線の医療を実践して行きます。

  • 副部長
  • ふるの ゆういち
  • 古野 優一
  • 卒業年平成15年
  • 認定医・専門等資格名日本脳神経外科学会指導医・専門医 日本脳卒中学会指導医・専門医 日本神経内視鏡学会技術認定医 日本脳神経血管内治療学会専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医

脳血管障害のほか、脳腫瘍や三叉神経痛、顔面けいれんなど幅広く診療しています。各々の患者さんにとってどのような治療選択が適切なのか、患者さんや家族を幸せにするのかをいつも考えながら診療にあたっています。お気軽にご相談ください。

  • 医師
  • どい ともゆき
  • 土井 智行
  • 卒業年平成30年
  • 認定医・専門等資格名日本脳神経外科学会専門医

患者さんが少しでも元気になれるよう努力します。

  • 非常勤医師
  • やまなか たくみ
  • 山中 巧
  • 卒業年平成10年卒
  • 認定医・専門等資格名日本脳神経外科学会専門医・指導医 日本脳卒中学会専門医 臨床遺伝専門医 小児神経外科学会認定医 日本神経内視鏡学会技術認定医
  • 救命救急副センター長
  • たけがみ てつろう
  • 竹上 徹郎
竹上 徹郎
  • 卒業年平成6年
  • 認定医・専門等資格名日本救急医学会救急科指導医 日本集中治療医学会集中治療専門医 日本脳神経外科学会専門医 日本脳神経血管内治療学会専門医 日本脳卒中学会指導医 日本脳神経外傷学会指導医 日本小児神経外科学会認定医 社会医学系指導医 麻酔科標榜医 京都府災害医療コーディネーター 日本赤十字社災害医療コーディネーター 日本災害医学会評議員 日本救急医学会ICLSディレクター MCLS世話人 日本DMATインストラクター JATECインストラクター JPTECインストラクター MIMMSインストラクター JTAS認定医師アドバイザー

診察担当医表

診察担当医表
一診(初診) 立澤 古野 (脳血管障害) 立澤 立澤 立澤
二診 竹上 立澤 山中 (小児神経外科) 土井
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