耳、鼻、のど、頭頸部癌の専門医によるチーム医療で高度な手術を安心・安全に提供します。
耳科手術指導医認可施設並びに頭頸部癌専門医指定施設の両方を有する基幹施設であり、内視鏡下鼓室形成術、人工聴覚器埋め込み術や鏡視下咽喉頭腫瘍手術、光免疫療法(頭頸部アルミノックス治療)、ナビゲーションガイド下内視鏡下鼻副鼻腔手術などさまざまな先端医療を導入し、高度な手術加療を安全に遂行するよう日々精進しております。耳科、鼻科、喉頭、頭頸部領域の専門医が協力し合い、5名の常勤医および2名の非常勤医は常に情報共有の下、耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域のあらゆる疾患に対し正確な診断と適切な治療を行います。患者さんの病状について毎週カンファレンスを行った上で診療方針を決定し、適切な治療を安心・安全に提供するためチーム一丸となって取り組んでおります。
また通院回数を減らせるよう初診時にCTなどできる検査は行い、術式や手術の日程調整などもできるだけ即日に対応するようにしております。耳鼻咽喉科・頭頸部外科治療のトップランナーかつ患者さんのニーズに合った医療を提供できるよう努めてまいります。
真珠腫は骨破壊を伴いながら進行する難治性の中耳炎です。放置すると顔面神経麻痺やめまい、頭蓋内合併症を引き起こしかねない病気であり、原則手術が必要です。病状のステージにて顕微鏡下に耳後切開にて鼓室形成術・乳突削開術を行うか、初期のステージであれば低侵襲に内視鏡下鼓室形成術を行うかを選択しています。手術は全身麻酔にて行い入院期間は平均4日~8日間です。いずれの方法も強い痛みはなく、日常生活の復帰も早いです。
鼓膜穿孔を伴い、難聴や耳漏を繰り返す疾患です。鼓膜形成術もしくは鼓室形成術を行い、ご自身の皮下組織膜などで鼓膜穿孔を閉鎖します。また鼓膜から音を内耳に伝える耳小骨の異常があれば、3つの耳小骨をいったん外して再度彫刻して戻す耳小骨再建を行います。乳突洞という耳後部の骨の蜂巣に炎症があれば耳後切開での顕微鏡手術を行い、鼓膜のエリアでの病態であれば低侵襲内視鏡手術にて行います。手術は全身麻酔下に行い、入院期間は平均4~6日間で、手術翌日より歩行や食事も通常に行えます。
内視鏡下に鼓膜の裏面を開放し、耳小骨の異常を点検します。耳小骨の離断や固着を確認すれば、ご自身の耳小骨を再建するか人工耳小骨にて内耳に音が伝わるよう再建します。内視鏡下に行うため、傷は耳内のみです。アブミ骨手術の際には術後めまいを伴うことがありますが、通常自然軽快します。全身麻酔下内視鏡下鼓室形成術の入院期間は平均4~5日間です。
顔面神経麻痺はヘルペスウイルスによる神経炎がほとんどであり、入院下での抗ウイルス薬およびステロイド点滴加療を行います。入院期間は約8日間ですが、改善には通常2~3か月以上かかることも多く、また残念ながら完全には治らない場合も少なくありません。入院中に筋電図にて改善予後の診断を行い、改善見込みが厳しい場合には後日顔面神経減荷術を行います。糖尿病などの基礎疾患がある方については当院の内科専門医が併診について対応します。
急激に片側の聴力低下を来し、時にめまいを伴う疾患に対し、発症早期にステロイド点滴加療を行います。約8日間の入院加療であり、点滴の副作用に対し注意を払いながら加療いたします。突発的な難聴の病態の中に外リンパ瘻という内耳のリンパ液が中耳に漏れるために引き起こす病気があります。外リンパ瘻を疑う場合には内視鏡手術で瘻孔を点検し、閉鎖術を行うことがあります。
保存的な治療で改善しない副鼻腔炎に対し、内視鏡下鼻副鼻腔手術を行います。全身麻酔下にて鼻科内視鏡を鼻孔より挿入し、ポリープの切除や副鼻腔の開放を行っていきますが、頭蓋底や眼窩内側にアプローチするため術中ナビゲーションシステム(Medtronic社製)を活用して病変を正確に確認しながら除去することで、合併症のリスクを最小限に抑えた手術をしています。平均入院期間は5~6日です。また好酸球性副鼻腔炎など再発率の高い病態に対しては、手術後の経過を観察し、必要に応じて生物学的製剤の導入を行っております。
内服や点鼻薬での改善が困難な症例、もしくは鼻腔形態のために鼻閉が改善しない場合には内視鏡下で粘膜下下鼻甲介骨切除術および鼻中隔矯正術を行っております。鼻腔が広くなることで鼻閉が改善し、また鼻腔内のアレルギーにかかわる翼突管神経後鼻枝を切除することで、鼻汁やくしゃみも著明に症状改善します。全身麻酔にて入院期間は平均5~6日間です。
扁桃炎を頻繁に繰り返す(年に3〜4回以上)病態や、扁桃の病変が原因となって皮膚(掌蹠膿疱症)や腎臓(IgA腎症)などに影響を及ぼす「扁桃病巣感染症」に対し治療を行います。保存的治療で改善が得られない場合や病巣感染症を伴う場合には、全身麻酔下にて口蓋扁桃摘出術を行います。入院期間は平均6〜8日間程度です。
咽頭・喉頭周辺の急激な炎症によって膿が溜まったり(扁桃周囲膿瘍、深頸部膿瘍)、喉頭蓋が高度に腫脹したり(急性喉頭蓋炎)する重症感染症です。これらは進行が早く、気道を塞いで窒息を来す危険性があるため、迅速な対応が必要です。 当科では早期診断のうえ、抗菌薬の点滴投与とともに、必要に応じて局所麻酔下の切開排膿や全身麻酔下での膿瘍ドレナージ術を行います。また、気道狭窄の危険が高い場合は気管切開術等を施行し、気道を確保した上で慎重に全身管理を行います。
声の出し過ぎや喫煙、炎症などが原因で声帯にポリープが生じ、声のかすれを引き起こす疾患です。消炎治療や声の安静などの保存的治療で改善が見られない場合、全身麻酔下での喉頭微細手術を行います。 入院期間は平均4日間程度で、術後は数日間の声の安静期間を設けて頂きます。
頭頸部領域(喉頭、咽頭、舌・口腔、甲状腺、唾液腺など)に発生する良性・悪性腫瘍に対し、患者さんのQOLを重視した集学的治療を行っています。
難聴や耳漏など中耳炎の症状があれば聴力検査やCT検査を実施します。通院での保存的治療で改善が困難な時には手術治療を実施します。耳手術は痛みを感じないように全身麻酔で手術用顕微鏡や耳科内視鏡を使用し病変を拡大し、繊細で丁寧な操作を行っています。
令和6年12月にライカマイクロシステムズのARveo8™を導入し、医療用VRゴーグル(MyVeo™)を使用して術者や助手、看護師が三次元動画をリアルタイムで共有できるようになりました。これによりナビゲーション情報を術野(手術を行う範囲)に投影することが可能になり、より負担が少ない安全な手術が可能になります。
副鼻腔炎の治療については鼻科内視鏡を鼻孔より挿入し、術中ナビゲーションシステム(Medtronic社製)を活用して病変を正確に確認しながら除去することで、合併症のリスクを最小限に抑えた手術をしています。
また、頭頸部外科手術に欠かせないのが神経刺激装置です。耳鼻咽喉科・頭頸部外科の手術治療では数多くの神経を温存することが必要です。術中神経モニタリングシステム(Medtronic社製NIM VITALTM)を常に作動させて顔面神経や反回神経を確認し、神経損傷を予防しています。
令和7年(2025年1月より12月)の手術数は耳手術が163例、鼻手術が198例、咽頭喉頭手術が214例、頸部手術が145例(うち頭頸部悪性腫瘍手術64例)であり、耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域のすべての疾患の手術治療を実施しています。
| 鼓室形成術 | 70 |
|---|---|
| (内視鏡下鼓室形成術) | (41) |
| 乳突削開術 | 23 |
| アブミ骨手術 | 6 |
| 顔面神経減荷術 | 6 |
| 鼓膜換気チューブ留置術 | 46 |
| 先天性耳瘻管摘出術 | 10 |
| 内視鏡下鼻副鼻腔手術 | 90(側) |
| 鼻中隔矯正術 | 49 |
| 粘膜下下鼻甲介骨切除術 | 56(側) |
| 口蓋扁桃摘出術 | 172(側) |
| 喉頭微細手術 | 7 |
| 咽頭悪性腫瘍手術 | 17 |
| 喉頭悪性腫瘍手術 | 3 |
| 舌・口腔悪性腫瘍手術 | 13 |
| 耳下腺・顎下腺悪性腫瘍手術 | 3 |
| 甲状腺悪性腫瘍手術 | 17 |
| 頸部郭清手術 | 24 |
| 咽頭喉頭食道摘出術 | 1 |
| リンパ節摘出術 | 26 |
| 甲状腺腫瘍摘出術 | 14 |
| 耳下腺・顎下腺腫瘍摘出術 | 21 |
| 気管切開術 | 33 |
| 月曜 | 火曜 | 水曜 | 木曜 | 金曜 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 1診 | 森 (午後:腫瘍外来) | 松下(初診) | 森(初診) | 休診 | 豊田(初診) |
| 2診 | 中西 | 担当医 | 中西 | 休診 | |
| 3診 | 松下 | 豊田 | 休診 | 松下 | |
| 4診 | 柴田(初診) | 柴田 | 休診 |
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一言で聴力改善手術といっても、内視鏡手術にて低侵襲短期入院で対応できるものから、人工内耳手術を含めた耳後部切開が必要な疾患まで様々です。多種にわたる聴力障害の病態に対し、的確な治療、手術を行えるよう研鑽を積んでまいりました。感覚器外科として、安全かつ可能な限りの機能改善を目指し、また患者さんに笑顔で治療を受けていただけるよう診療いたします。