糖尿病・内分泌内科

診療科紹介

糖尿病やホルモンが関わる病気、コレステロールや電解質の異常などの診察・治療を行います。

糖尿病の診療について

現在、日本では糖尿病を持つ方は1000万人、予備軍も含めると2000万人に達するといわれています。糖尿病治療の主な目的は、合併症(動脈硬化性疾患や網膜症、腎症、末梢神経障害など)の発症進展を阻止することと、高齢化で増加する併存疾患を予防管理することです。当科では、発症早期から眼科、腎臓内科、脳卒中センター、循環器内科などと協力して総合的な診療を行っています。また、糖尿病に関する正しい知識を身につけていただくことに力を入れており、食事・運動療法の実践と適切な生活習慣の確立を目標とし、主に入院の方を対象とした1週間単位の糖尿病教室を年間20回程度行っています。医師をはじめ、糖尿病認定看護師や糖尿病療養指導士の資格を持つ薬剤師・看護師・管理栄養士・理学療法士・歯科衛生士らが担当し、退院後も実践可能な内容をわかりやすく指導しています。

 さらに、新しい治療も積極的に導入しており、最近保険適応が拡大したフリースタイルリブレ2やデキスコムG7 CGMシステムを外来で取り入れています。これらは連続して血糖を測り続けられる機械で、今までは点でしか見えなかった血糖値を線で、しかも10日から2週間にわたってとらえられるため、今まではわからなかった血糖変動がよくわかり、より良い血糖管理につなげられます。糖尿病の薬は日々進歩していますので、新しい知見をもとに一人ひとりの患者さんに適した薬物を選択しています。インスリンなど注射薬による治療が必要な場合でも、入院ではなく外来で始めることもできます。

 1型糖尿病の方のニーズに応えるため、専門外来を設けてSAP(Sensor Augmented Pump)療法を含めたCSII療法(インスリンポンプ治療)にも対応しております。更に当院は総合周産期母子医療センターを有しており、妊娠に関連した糖尿病の方の診療経験も豊富です。

1型糖尿病の診療について

1型糖尿病は、自己免疫のはたらきによって膵臓からインスリンが出なくなる病気です。年齢や生活習慣に関係なく誰にでも起こりうる病気であり、毎日のインスリン補充と血糖管理が必要になります。治療を続けることで、学校・仕事・家庭など、これまで通りの生活を送ることが十分に可能です。

当院では、1型糖尿病に習熟した専門医を中心に、看護師・管理栄養士・薬剤師・臨床検査技師など多職種による糖尿病チームが連携し、一人ひとりに寄り添った診療を行っています。持続血糖測定器(CGM)やインスリンポンプ(CSII)といった医療機器も積極的に取り入れ、より快適で安全な血糖管理をサポートします。

さらに、目・腎臓・神経・心臓などに関連する合併症にも対応するため、眼科・腎臓内科・循環器内科・神経内科などの専門診療科とも連携し、総合的な医療体制を整えています。

当院には、小さなお子さんから高齢の方まで、さまざまな年代の方が通院されています。1型糖尿病と診断されたばかりの方、現在の治療に不安がある方、より専門的な診療をご希望の方も、どうぞ安心してご相談ください。

1型糖尿病専門外来は、毎週月曜・金曜の午後に開設しています。
なお、小児の1型糖尿病の小児の方は、当院小児科水曜午前、木曜午後で対応しております。
ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。
 

妊娠糖尿病・糖尿病合併妊娠の診療について

妊娠糖尿病や糖尿病合併妊娠は、妊婦さんと赤ちゃんの健康に影響を与える可能性があります。適切な血糖管理が行われないと、早産や巨大児、帝王切開などのリスクが高まります。また、赤ちゃんが生まれてからも低血糖や糖尿病の発症リスクが増加することがあります。そのため、妊娠中に血糖値を適切に管理することがとても重要です。

当院では、妊娠糖尿病や糖尿病合併妊娠に習熟した専門医と糖尿病チームが協力し、妊婦さん一人ひとりの状態に合わせた治療を提供しています。さらに、当院は総合周産期母子医療センターを完備しており、母体と赤ちゃんの両方を総合的にサポートできる体制を整えています。持続血糖測定器(CGM)やインスリンポンプ(CSII)を使用して、より正確で快適な血糖管理を実現しています。

妊娠中の糖尿病に関して不安を抱えている方や、そのご家族の方々にも安心してご相談いただける環境を提供しています。妊娠中の健康管理について専門的なサポートが必要な場合、ぜひお気軽にご相談ください。専門医による丁寧で温かい支援を通じて、安心して妊娠生活を送るお手伝いをいたします。

内分泌疾患や電解質異常の診療

当科では糖尿病以外にもバセドウ病や橋本病をはじめとした甲状腺疾患や副腎疾患、下垂体疾患、副甲状腺疾患などの内分泌疾患やナトリウム・カルシウムなどの電解質異常にも力を入れています。特に甲状腺疾患や副腎疾患では妊娠や出産などに際して細かな配慮が必要になることもあります。疾患により検査入院が必要な場合も対応でき、診断から治療までスムーズな診療が可能です。近年二次性高血圧として頻度が高いことがわかってきた原発性アルドステロン症の診断や精査も行っており、病態に応じた適切な対応を心がけています。

肥満症外来開設

2025年春から肥満症外来を開設しました。当外来では単に体重を減らすだけでなく、肥満に起因する健康問題の改善を目指します。治療は生活習慣の見直しを基本とし、適応となる方には必要に応じて薬物療法を組み合わせます。美容目的での治療は行っておりませんのでご了承ください。

担当する疾患

  • 糖尿病および糖代謝異常
    • 2型糖尿病、1型糖尿病、妊娠糖尿病、糖尿病合併妊娠、膵性糖尿病、境界型糖尿病、低血糖症、インスリノーマ、インスリン自己免疫症候群 など
  • 甲状腺疾患
    • 甲状腺機能異常(機能亢進症、機能低下症)、バセドウ病、慢性甲状腺炎、破壊性甲状腺炎 など
  • 下垂体疾患
    • 下垂体腺腫(クッシング病、先端巨大症など)、下垂体機能低下症、尿崩症 など
  • 副腎疾患
    • 原発性アルドステロン症、褐色細胞腫、クッシング症候群、副腎腫瘍、副腎皮質機能低下症など
  • 副甲状腺疾患
    • 原発性副甲状腺機能亢進症・低下症
  • 多発性内分泌腫瘍症
  • 電解質異常
    • 高・低ナトリウム血症、高・低カリウム血症、高・低カルシウム血症、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群など
  • 代謝疾患
    • 脂質異常症、高尿酸血症
  • 肥満症

実績

糖尿病 入院者数
年度 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023
糖尿病 135 115 124 73 106 87 114
うち1型糖尿病患者数 15 13 17 9 3 6 16

糖尿病をもつ方は、外来で約2600名にのぼります。上表のように毎年100名前後の患者さんに教育、または血糖マネジメントや合併症管理の目的で入院加療していただいています。

医師紹介

  • 糖尿病・内分泌内科部長
  • たなか とおる
  • 田中 亨
  • 卒業年昭和62年
  • 認定医・専門等資格名日本内科学会総合内科専門医、認定内科医、指導医、内科学会近畿支部評議員 日本糖尿病学会研修指導医、専門医、学術評議員 日本糖尿病協会療養指導医 日本静脈経腸栄養学会TNT研修会修了 京都府立医科大学臨床教授 京都糖尿病医会理事、京都腎臓医会理事

糖尿病合併症の発症進展防止には血糖管理が不可欠であり、そのために必要な経口血糖降下薬や注射製剤の扱いを熟知しています。腎臓内科、眼科、脳卒中センターや循環器内科、心臓血管外科、歯科などと協力して合併症治療に力を入れるとともに、救命救急センターと連携して糖尿病昏睡や低血糖症などの緊急症にも対応しています。1型糖尿病、妊娠糖尿病や糖尿病合併妊娠の診療にも積極的に取組んでいます。

  • 副部長
  • いわせ ひろや
  • 岩瀬 広哉
  • 卒業年平成16年
  • 認定医・専門等資格名日本内科学会総合内科専門医・認定内科医、指導医 日本糖尿病学会専門医、研修指導医、 日本病態栄養学会病態栄養専門医、専門医研修指導医 日本内科学会指導医 日本静脈経腸栄養学会認定医 日本病態栄養学会病態栄養専門医NSTコーディネーター 日本静脈経腸栄養学会TNT研修会修了、京都府立医科大学臨床講師
  • 医長
  • はた しんのすけ
  • 畑 真之介
  • 卒業年平成26年
  • 認定医・専門等資格名日本内科学会総合内科専門医・認定内科医 日本内分泌学会内分泌代謝科専門医 日本糖尿病学会専門医
  • 専攻医
  • はらだ ゆき
  • 原田 侑季
  • 卒業年令和2年
  • 専攻医
  • たなか あきと
  • 田中 秋人
田中秋人
  • 卒業年令和4年
  • 専攻医
  • よこえ けんいちろう
  • 横江 賢一郎
横江賢一郎
  • 卒業年令和5年

診察担当医表

診察担当医表
一診(新患) 田中秋 原田 原田 (1・3・5週) 田中秋 (2・4週) 畑 (午後肥満症)
二診 岩瀬 田中 (午後1型糖尿病) 田中 田中 岩瀬 (午後1型糖尿病)
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